働き方改革制度の概要

働き方改革の基本部分を知ろう

最近よく耳にするようになった「働き方改革」という言葉ですが、具体的にどのようなものなのかを把握している人はまだそれほど多くはないようです。働き改革をざっくり説明すると、「労働者の働き方をより良く改善していこうという取り組み」になります。例えば残業を減らしたり生産性を上げたり、あるいは男女平等社会のさらなる推進といった内容も含まれます。ここでは、働き改革についてより詳しくなるために、まずはこの制度の目的や概要、背景などを紹介していきます。

概要や目的

働き改革は政府主導で進められています。さらに細かくいうと官邸主導、内閣主導となっています。この制度の考え方の基本は、日本経済を活性化させるために現状の労働制度を抜本的に改革していき、労働者が将来に対して希望を持てるような社会にしよう、というものです。
そして、こちらも最近よく聞く「一億総活躍社会」に働き方改革は深くかかわっています。この一億総活躍社会の実現にあたって、働き方改革の推進が必要不可欠なのです。そのためには、多様な働き方を可能にすることや格差の固定化回避、介護や出産による離職の食い止めなどが重要になってきます。

なぜ必要になったのか

現在日本は少子高齢化ということもあり、労働力となる15歳から64歳の生産年齢人口が減少し続けているという問題があります。生産年齢人口の減少は1995年から続いており、このまま減少を続けていった場合、2110年には現在の半分の生産年齢人口になってしまうと言われています。
またその他にも、日本は長時間労働が定常化しているという問題もあります。世界的に見ても深刻な状況となっており、諸外国から問題視されていることもあって、政府としてはなんとしてもこの状況を打破したいと考えているようです。実際、2013年には国連から日本に対して、多くの労働者が長時間労働を強いられていることや過労死が増えていることに対して、是正を求める勧告が出されています。しかし日本ではいまだに、残業して多くの仕事をしている人が偉いといった風潮が残っており、そのなかで残業を拒否することによって印象を悪くし、昇進に悪い影響が出てしまうといったことがあるなど、まだまだ問題は山積みです。
また、生産性の向上も重要な項目です。日本人は仕事が好きだというイメージがありますが、労働生産性に関しては他の先進国よりも劣っている部分があります。労働力が減り続けているという問題もあり、労働生産性の向上は今後の経済活性化のためには必要不可欠な取り組みと言えます。