働き方改革の導入事例

A社の育児休暇制度

A社では、女性がさらに活躍できるように積極的に育児休暇制度を導入しています。具体的にどのような内容かというと、「子どもが3歳になるまで育児休業が可能」「短時間勤務制度は部署にもよるが最大で子どもが8歳になるまで利用可能」といったものになります。この制度を制定したことで、育児休業制度・短時間勤務制度の利用をする社員が4年間で2倍近くも増えました。労働者は子育てのために仕方がなく離職するという選択をせずに済み、企業としても労働力を手放すことなく済みます。

B社の短時間勤務制度

育児をしながら仕事をする人にとって短時間勤務制度の活用は重要になりますが、その中でも柔軟な取り組みを行っているB社の導入事例を紹介します。B社では単純に退社時間を早くするだけの短時間勤務制度ではなく、1日5時間あるいは6時間のコアタイムを設けた「フレックスタイム制」の短時間勤務制度を設けています。そのため、コアタイムさえ出勤していればその前後の時間調整が可能になるのです。また、B社ではミーティングなどの時間をこのコアタイムのなかに設けるようにして、短時間勤務のせいで重要なミーティングに出席できないといったケースを防ぐような取り組みをしています。

C社のテレワーク制度

テレワークを導入しているC社について紹介します。C社では2種類のテレワークを導入しており、1つは育児や介護の事情がある社員を対象として、週2日の在宅勤務を認めるといったものです。育児や介護をしながらでも能力を最大限発揮できるように、という考えから採用したそうです。また、育児や介護にしっかり時間をかけてもらうことで、休職後に早期の復活を促し、復職後のキャリア停滞を防ぐという目的もあります。またC社では、子どもが急病などになった際に早退し、自身の労働時間が所定の労働時間にならなかった場合に、在宅で労働した時間を通算して会社での勤務時間とすることができるという、一部在宅制度も導入しています。

D社のノー残業デー

残業は、それをただ禁止したところでなくなるわけではありません。残業が必要とならないように、生産性の向上を図ったり、残業恒常化の要因分析・対策などをしていかなければなりません。また、これまで紹介したような育児休暇制度や短時間勤務制度、テレワークの導入などを積極的に行い、社員がより柔軟な環境で働けるようにしていく必要があります。
そのうえで、「コミュニケーションデー」と称して、いわゆるノー残業デーを導入しているのが大手のD社です。家族や仲間との交流を大切にしてほしいという考えからきている名称です。すでに述べたような職場環境の改善にしっかり取り組んだうえで、このような名称をつけることでより制度の浸透率を上げることができたようです。